こんにちは、Nocchi(のっち)です。
富士フイルムのカメラを買った当初から密かに気になり続けていたこのレンズをようやく使うことができました。
その名もXF90mmF2 R LM WRという中望遠の単焦点レンズです。35mm判換算で137mmという街スナップには適さないのではないかと懸念していたため、中々手を出しにくかったのですが、ようやく意を決して使ってみました。
今回はこのXF90mmF2 R LM WRをレビューしていきます。
XF90mmF2 R LM WR
こちらが今回紹介していくXF90mmF2 R LM WR
今のFUJIFILM Xシリーズの中ではXF200mmF2 R LM OIS WRに次いで2番目に長い単焦点レンズとなっています。開放F2と明るい設計で防塵防滴かつ-10度の耐低温構造となっているため環境を問わずポートレート撮影やストリートスナップに適しているレンズとなっています。
とはいえ焦点距離90mm(35mm判換算137mm)という距離感で僕の主戦場ともいえる、街スナップとして使うことができるのか、またその相性については気になるところです。
このレンズが登場したのは2015年7月ということでちょうど今から8年前に登場したレンズで、今のカメラとの相性を含めてどんな写りがするかも気になるので深ぼっていきます。
XF90mmF2 R LM WRのスペック
まずはスペックから見ていきましょう。
価格 | 約117,000円 |
焦点距離 | 90mm(35mm換算 137mm) |
F値 | F2 |
最短撮影距離 | 0.60m |
レンズ構成 | 8群11枚 |
絞り羽根 | 7枚 |
フィルター径 | 62mm |
手振れ補正 | なし |
長さ | 105mm |
重さ | 540g |
登場から8年経っていることもあり、価格は変動しつつありますが大体11万5000円から12万円の間であれば新品は手に入りそうです。
最短撮影距離が0.60mなので中望遠のレンズにしてはかなり寄れるレンズとなっています。マクロまではいきませんが、寄れるというだけで構図の組み立ての自由度が上がりますし、寄れないレンズに比べてボケ感も増すメリットがあります。これについても後程作例を載せます。
レンズ構成3枚のEDレンズ含む8群11枚の構成で望遠レンズでは発生しやすいとされている色収差を低減しています。
長さが105mmと単焦点レンズにしては大きいと言わざるを得ないサイズ感。重さは500g台に抑えられているため、サイズ感の割には重さは感じませんが、これも実際の使用感については後程記載します。
XF90mmF2 R LM WRの外観
次にレンズの外観です。
レンズの機能的にはフォーカスリングと絞りリングのみというシンプルな構成となっています。レンズの長さはほとんどフォーカスリングの長さと言ってもいいほどに、フォーカスリングは長くなっています。
寄れるだけにMFの頻度も高くなるためフォーカスリングが長く操作しやすいということはメリットでしょうか。
筐体の質感は富士フイルムのレンズらしい金属製で高級感のある外観をしています。
長いけど大きくは感じさせないのは62mmのフィルター径にあると思います。
手が極端に大きくない成人男性が持つとこのサイズ感です。
重さが長い筐体に分散されている分、持っていてずっしり感はないのでスペースは食いますが持ち歩けそうだなという感じです。
X-T5とXF90mmF2 R LM WR
今手元にX-T5とX-E4がありますが、X-E4に装着する意味はなさそうなのでX-T5に装着してみました。
このボディバランスです。重量的にはカメラとレンズで大体同じなので持ちやすいは持ちやすいです。
XF90mmF2 R LM WRのレビューと作例
実際にXF90mmF2 R LM WRを使って撮影してきた作例と使用感のレビューをしていきます。
素直な描写
まず最初にこのレンズを装着してファインダーを覗いた感想としては「綺麗」でした。雑味のない澄んだ写りをします。
全てレタッチしているので写りがどうとかは説得力はないかもしれませんが、コントラストが強いわけでもなく、眠いわけでもない。
適度にコントラストが聞いて心地よい画作りをします。
逆にいうと何もクセがないというのが特徴です。
FUJIFILM Xシリーズのレンズはそれぞれ写りには何かしらクセがありますが、それが最も薄く感じます。
素早く正確に合うAF
最も驚いたのがAF性能
当時新開発の4つのマグネットを搭載し軽やかに大口径レンズを駆動させることができるクアッド・リニアモーターを採用しているため、高速かつ静粛、そして性格なAF動作をしてくれます。
Xシリーズの単焦点レンズというと、代表的なのがXF56mmF1.2 R、XF56mmF1.2 R WR(XF60mmF2.4 R Macro、XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroはマクロレンズなのであえて外した)でしょうけど、お世辞にもAF性能が素晴らしいとは言えませんでした。
そんな中で使ったからこそここまで早く正確なAF性能には感動してしまいました。
被写体にすっとフォーカスしてくれるため絞り開放F2で安心して撮影をし続けることもできます。
一言で言うなら失敗のしないレンズであると確信しました。
優しくとろけるボケ感
そんな開放F2、焦点距離90mm(35mm判換算137mm)から繰り出されるボケ感について
ピント部はキレがありますが、ボケ感は優しく柔らかくボケます。
XF56mmF1.2 R WRのようなキレのあるボケ感によって圧倒的な立体感がありましたが、このレンズは浮き出るような立体感よりも合焦部からゆっくりボケていくため自然なボケ感を手に入れることができます。
力強さよりも優しさや柔らかさを好む方にはこのレンズとの相性は良いでしょう。
寄れるに越したことはない
最短撮影距離は60cm
この数字だけ聞くとあまり寄れそうになさそうですが、焦点距離90mm(35mm判換算137mm)ともなるとこれが意外と寄れるのです。
寄れることのメリットで選択肢を増やせることにあります。寄れないレンズに比べて構図の幅、被写体の幅が広がります。
寄れないよりは寄れることに越したことはないですよね。寄れることがデメリットになるということはまずないです。
逆光耐性はイマイチか
逆光耐性は悪くはないですが、優れているともいえないのが正直な感想です。
太陽が構図に入り込んでしまうと、フレアやゴーストが出現します。それでも厭らしい出方ではないので、あえてフレアやゴーストを利用するという使い方が出来そうです。
スナップには不向きなのか
富士フイルム公式ではポートレートだけでなく、ストリートスナップにも向いているという紹介の仕方をされていますが、実際はどうなのか。
僕が使ってみての感想ですが、スナップで使うには適しているわけではないという結論が出ました。
写りもいいし、AF性能も素晴らしいことからスナップでも使えるのですが、やはりサイズ感と焦点距離を考えたときに頻度高く使えるレンズではないかと。東京という街に限ってしまう話ですが、焦点距離90mm(35mm判換算137mm)を使って撮るシチュエーションがそこまで多くないこと、そしてそんな多くないシチュエーションに対して10cmもある単焦点レンズを持ち歩くのは非効率だと思ってしまいました。
他の作例
レビューでは載せきれなかったこのレンズで撮った写真を何枚か載せておきます。参考程度にご覧ください。
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